最高裁判所第二小法廷 昭和26年(し)93号 決定 1952年7月31日
本籍
福岡県小倉市大字曾根七二四番地
住居
長崎県北松浦郡佐々野口石 木下重友方 (福岡刑務所在監)
申立人
(被告人)伊藤保
明治三四年一月二一日生
右の者に対する強姦致傷、殺人被告事件について昭和二六年九月一八日福岡高等裁判所のした再審請求棄却決定に対し申立人から特別抗告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件抗告を棄却する。
理由
決定、命令に対しては他に不服を申し立てることができないときに限り、最高裁判所に特別抗告することができる(刑訴四三三条一項)。しかるに、原決定のごとく高等裁判所が同四四七条一項によりなした再審請求棄却決定に対してはその高等裁判所に異議の申立をすることが認められている(同四二八条四五〇条)。したがつて、かかる決定に対しては特別抗告はできないのである。
よつて本件特別抗告は不適法なものとして棄却することとし、同四三四条四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)